発酵食品独特の味や匂い!発酵で旨みが増す仕組みとは?

発酵食品の魅力は、独特の風味やうま味ではないでしょうか?

肉食動物は、狩った獲物の内臓はすぐに食べ、肉の一部は木の上に置いたり、地中に埋めて保存する行動を見せます。これについては、内臓は腐敗しやすくすぐ食べるべきであることや、肉を放置し、発酵させることでうま味が増すことを経験的に知っているのではないか、という説があります。

「肉は買ってから一日置いて食べる方が美味しい」と書いてある料理本もありますし、実際に発酵食品について学ぶと、これらの行動が理にかなっていることが分かります。

食材は発酵すると、匂いだけでなくうま味も強くなります。この働きは食材を発酵させる微生物の働きによるものです。酵母・細菌・カビ類が食材を分解する時に出す酵素の働きにより、アルコール類・有機酸類・炭酸ガスなどを生じるため独特の風味が増すのです。

発酵、熟成

「うま味」成分には「アミノ酸系」と「核酸系」があります。アミノ酸はタンパク質の構成物質であり、核酸はDNAに代表される、私たちの生命活動に欠かせない物質です。うま味成分の代表であるイノシン酸は核酸系、グルタミン酸はアミノ酸系の物質です。例えば、鰹節のうま味は、たんぱく質が酵素によって分解されアミノ酸に変化し、イノシン酸という成分に結び付くことによって生まれます。

微生物が食材を発酵させることで食材の旨味を引き出すのです。鰹節は煮る、乾燥、燻製、再度乾燥、カビ付け、そしてから乾燥とカビ付けを何度も繰り返し行い作られます。その結果、多くの工程でタンパク質はアミノ酸に分解され、旨味成分であるイノシン酸もたくさん作られます。微生物の働きを最大限に活用した鰹節の製法は、発酵の恩恵を受けながら工夫を重ねた先人たちの知恵の結晶といえます。

醤油のうま味は、大豆のタンパク質が麹菌による発酵によって20種類ものアミノ酸に分解されることで生まれます。中でもグルタミン酸は、うま味成分の中で特に重要なアミノ酸の一種で、醤油のうま味の主役と言えます。醤油の酸味は、発酵時に生じる乳酸菌の働きによって生じます。乳酸菌によって作られた有機酸類は塩味を和らげ、味をひきしめ、まろやかに感じさせる働きをしています。

私たちが日常的に使っている調味料は、味噌・醤油・酢・みりん・酒・鰹節などなど、全て発酵食品です。私たちが普段食べて美味しい、と感じている食事の元となるうま味とは、実は発酵がもたらす、微生物の働きによるものなのです。

日本では世界一長寿であり、また発酵王国と呼ばれるほど発酵食品が発達してきた国でもあります。発酵食品の独特の風味が気になる、と敬遠するのは勿体ないと思いませんか?健康にもいい発酵食品の、発酵により増した芳醇なうま味を楽しみましょう。